カウンセラーのブログ【blog】

コンサルテーション(「コンサル」)という言葉を、皆さんはご存知でしょうか？近年、様々な分野で「コンサル」という言葉を、見聞きする機会が増えたと思います。

「経営コンサル」「ビジネスコンサル」という言葉に代表されるように、経営関連の専門用語として認識されている方も多いのではないでしょうか？

しかし、この「コンサル」という言葉は、元々は臨床心理学の専門用語なのです。

コンサルテーションは、1950年頃、イギリスの精神科医で心理士でもあったジェラルド・キャプラン（1917-2008）によって提案された支援技法です。

 キャプランは、当時イスラエルにおける小児の精神科医療において、数多くの治療施設から診察の依頼を受けていました。しかし、１人の精神科医が対応できる患者数には限度があり、各地からの依頼全てに対応することは困難でした。そこで、キャプランは治療施設で働いている看護師や保育士に対する専門的な助言を行うことにしたのです。

この「コンサルテーション」という技法の特徴は、看護師や保育士などのその道のプロである専門職を対象として、精神科医や臨床心理士がメンタルヘルスの観点から助言を行うことにあります。その意味においては、相談者である専門職も助言者であるカウンセラーも対等な立場にあると言えます。

コンサルテーションを受けた専門職は、カウンセラーから助言を踏まえて、自身の専門職としての責任にもとづいて、担当患者の支援に当たります。その中で再び専門的な助言が必要になる場合は、継続してコンサルテーションを依頼することになります。

コンサルテーションの利用回数については、相談者である専門職が抱える患者の状態や、組織が抱える課題の内容によって、さまざまなレベルが想定されるため、一度きりのスポット対応で十分な場合もあれば、２回、３回と継続利用がして必要になる場合もあります。

コンサルテーションの目的は、相談者である専門職の方に楽になってもらうことです。ご相談の結果、「八方塞がりだと思っていた状況を異なる視点で捉えることができた」「課題を打開するための新しいアイディアを発見することができた」などのご感想もいただくことが多く、閉塞した状況に新しい風を吹かせることができるのではないかと考えています。

職場で専門職へのコンサルテーションの導入を検討される場合でも、個人的にご利用したい場合でも、ぜひ一度当相談室にお問い合わせください。無料相談にて、どのようなご支援ができるかご検討させていただきます。